東洋医学からみた秋の過ごし方

収穫の秋は陽気が収束に向かう季節です

立秋(毎年8月7日ころ)のころはあまり感じませんが、お盆を過ぎて9月の声を聞くころになると、朝晩の肌寒さや吹く風に秋の気配を感じるようになります。

これを東洋医学的に表現すると、夏最も盛んだった「陽気」が次第に衰え、代わって「陰気」が徐々に増えてくる、ということになります。

「陰気」には冷やす働きがありますが、他に堅める力や収める力があります。

少なくなっていく陽気を体内にしまい込んで、しっかり蓄えます。そして来る冬に備えるのです。


ところが昼間の暑さに惑わされて、ついついからだを冷やしてしまいがちになります。

本格的な冬の到来に備えて、体内に陽気を蓄えなければならないのに、これでは逆効果です。

飲食物も冷たいものはなるべく控え、衣服にも十分気を配って、からだを冷やさないように気を付けましょう。

特に下半身を冷やさないように注意しましょう。

また、古代中国の自然哲学の陰陽論から派生した「五行」という考え方によると、秋は「金」に分類され、人のからだでは「肺」が金にあたります。


木 = 春 = 肝

火 = 夏 = 心

土 = 各季節の土用 = 脾

金 = 秋 = 肺

水 = 冬 = 腎


「肺」は気をつかさどるところです。

「肺」が十分気をめぐらせることで、寒さやウィルスなどの外敵から身を守ります。

先にお示しした養生法を参考にして、夏の疲れを癒し、来るべき冬に備えましょう。